ゆるりとフルナ

我犬フルナと共に過ごし、老犬介護について記す為に始めたブログ。その後保護犬の一時預かりを経て、2代目シャルとの生活が始まりました。

昇華と丁寧さ。そして好奇心。

色んな思いを呼び起こす記事を読んだ。

記事内のどの段落にもしみじみと感じ入るコトバに溢れていたけれど、最近あった事で印象的だった事が最初に思い起こされた。
知人の女性がいる。オーダーメイドの打ち合わせや引き渡しの時などにお会いする女性で、お茶飲みとか共に出掛けたりとかではない友人。彼女のお父様が書家で、私が書の個展を見に行った会場でお会いした方で、とても控えめで静かな佇まいの女性。
で、先日お引渡しの時に色々お話してて、私の制作するもの達に関しての感想を下さったのだが「つくり手の経験や見てきた物が背景に見えているものに私は惹かれるのだ」と。人の心を掴むのってそれがないと無理だと思っていると言っていた。
彼女も物をつくり出す人なのだけど、今までも色んな分野のいい物を見る事をずっと心掛けてきたそうだ。
私は好みの物は見に行くけれど全般ではない。でも見てきた物、経験してきたいい事やかなしい事、葛藤や落としてきた思いなんかが、自分の引き出しに入っていて、いい具合に表現の欠片となっているのだったらこんな嬉しいことは無い。
闇の部分を昇華させてうつくしいものにするのが醍醐味、みたいな事も言ってたな。完全に同意。
ダークな部分を無い振りで隠して綺麗に飾るよりも、明るい暗いどちらも内側に存在する事ありきで現れてくるうつくしい物の方が私も好きかな。私が言葉が嬉しいと彼女に言うと「でもごめんね、多分少数派の意見だけれど」と言っていたけど、1人でもそんな風に感じて受け取ってくれている人がいるのってすごい事と思う。

以前彼女からの言葉が自分にとって過去最高の褒め言葉だと思っていて、「綺麗なだけでなくて毒があるから好き」と言ってくれたのだ。嬉しくて鳥肌たった。

昨年辺りから仕事に関して感じている部分、迷い不安や手応えとか。今回頂いた言葉も今の自分に、そしてこれからに、とっても必要な言葉だったと感じた。
いただく褒め言葉は感謝はすれどあまり受け取らない傾向がある私だけど、彼女の言葉は不思議な程素直に入ってくるのだ。人からみて彼女の様に「信頼できる言葉」をだす人になりたいと思った。相性もあるのだろうけど。

島の頃にあった友人関係の様なのはこちらではつくれてないけど、自分にとってかなり希少な、素晴らしい出会いを貰っているなあと感じたのでした。寂しい事はあるけど内地に戻ってよかったと思える事の方が多いかな。

そして記事にある奈良さんの言う共感、想像力、「置き換える」能力。
ネット環境で入ってくる情報量は莫大で。遠くの出来事を知る事が出来るありがたさは感じつつ、段々と「丁寧さ」が置き去りになっていく自覚がある。
個々の出来事にある程度丁寧に向き合わないと、共感する能力って衰えてしまうのではないかという不安感。社会の出来事1個ずつにみっちりなんて無理なのは重々分かってるけど、あまりに駆け抜けっぱなしなこのスピードをどこか不安に感じるのは少数なのかな。
早すぎるスピード故の、出来事に対する「ま、いっか」は出来る限り持ちたくない。それ程自分を信じてないから、一回許すとどんどんまいっかの人になりそうだから。

色んな知らない事、歩いていない土地、見ていない物。
自分は好奇心が強いとずっと思ってきたけど、最近は踏み出す事に以前よりも「えいや!」の力が必要になってる気がする。
でもやっぱり知らないことを知る、人と出会うのって重要。共感力を育てる面でも。

 

一旦3時間のお留守番が出来るようになったシャルだけど、近頃またパニック気味に泣くようになって30分の留守番練習からスタートしてる。何が理由か分からない。難しいな。
犬に負荷をかけるのだったら自分が我慢する方が気が楽な性格で、でも我慢が年単位になってくると色々溜まってきてしまう。折り合いが難しい。
シャル、お互いニコニコにしたいね。がんばろうね。

久しぶりにブログを綴って、言葉にするのってやっぱり好き。
遡って読んで、シャルのこれまでの過程を思い出したり。犬のことや自分の思い、自分の愉しみ用に書きたい時は書こうと思った。

 

f:id:furuna:20190812075744j:plain
シャルさん。お留守番、やっぱり嫌ですかね?
にっこり顔で「うん。いやっ!」といいそうなキャラのひと。
大雑把な性格もあるのにこれだけは根深いなあ。私の進め方がまずいのか、それだけキツかったってことか、たまに以前の飼い主にこんちきしょーと思ってしまいます。ごめんなさい。

f:id:furuna:20190825143804j:plain

ウチに迎えて最初の頃、シャルが欠伸をする時に真似をしたら「!」という驚いた表情をして、それから欠伸をよくするようになった。ふと歯をむき出した欠伸をシャルがした時に私が可愛くてキャッキャと喜んだ事があって、その後甘えてる時やご機嫌な時にこんな風にわざと歯を出しながらする癖が。私には可愛いけど、絵的にご機嫌さんには見えないね。