ゆるりとフルナ

我犬フルナと共に過ごし、老犬介護について記す為に始めたブログ。その後保護犬の一時預かりを経て、2代目シャルとの生活が始まりました。

保護から10日間のこと。

保護翌日、殆ど食べず。
犬や猫や鳥さんなど保護の経験を多くしている友人が様子を見に来てくれる。ヒルズのa/d缶や高栄養パウダー等、色々持って。
食べないし、昨日より目に力がない感じ。昨日は足を引きずりつつも歩いたのに今日はほとんど歩かずで、友人から右後ろ足が腫れていると言われ見ると、確かに左足の2倍はある。食べないことにいっぱいいっぱいで気付かなかった。

心配になりこの日も夕方から獣医さんへ。
後ろ足は先生が押すと傷口から膿が出てきた。。
指で口にウェットを入れる強制給餌を教わって、今は栄養がどの位取れるかどうかで命が繋がるかが変わってくると言われた。「強制給餌」はフルナの介護の時のイメージを思い出させるワードで、「でもこの場合は違うのだ」と自分に言い聞かせ腹を括る。
家に戻って20g程度お口に入れた。

保護から2日目。
ケージのドアを閉めずにいたら歩いて出てきたようで、リビングとの境越しにシャルが仔猫に気が付いて鳴いていた。全体の感じが昨日より良い模様。
強制給餌は難しい。仔猫の口があまりに小さくて、私の指先にちょこっとのせたフードも殆どが口からもれてしまうのだ。この日保護して初めてのウンチが出た。
何故か私の情緒が不安定で、ふとした拍子に涙が出てくる。給餌しながらお守りのように音楽をかけていたらまたいらぬスイッチが入りどばどばと涙が。そうしたら給餌を嫌がって暴れていた仔猫が私を瞬きもせずに目を見開いてじーっと見上げ続け、しばらくして泣き止むとすいすいと食べてくれた事があった。びっくりして不思議で見ていたのかもしれないけれど、こんなに小さいのに、猫ってなんだか不思議だと感じた。

保護から3日目。朝の体重は465gで保護時から25g増えた。
昨日の夜の給餌からシリンジを使ったものに。指の給餌では私が下手くそで1時間に10gも入らない。シリンジだと誤飲の危険があると聞いて怖かったけれど、指の給餌だとただお互いに疲れるばかりで仔猫にもよろしくないと思い変更。
具合がわからないのでシリンジの目盛を見ながら1目盛ずつ入れていく。時間かかるけど指よりはマシ。
数時間おきに15g程度。a/dを少しのお湯かシャルの手作り食を作る時に鶏スープを少し分けておいた物で溶く。それをシリンジに2本(その後1本+1/3本に変更)。最初はあげ終えるのに1時間以上はかかった気がする。
この日夜の体重は500g。

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途中で休憩しながらの給餌。ジタバタになっても一旦寝ると結構また受け入れてくれる。その間シリンジ内のフードが冷えちゃうので膝に載せた湯たんぽで仔猫と一緒に温めていた。

1日70-80gのa/d缶を給餌する様に決めて、保護から10日間強制給餌をした。
互いに少しずつ慣れてきて体重もじわじわと増えてきたけど、途中獣医さんで新たに首元に大きな穴が見つかって、中が腐っていて、見たらクラクラする程の傷で。給餌の際にもうイヤだー!と暴れるのだけど、あんな傷がある仔猫の動きとは思えない。なんてタフな子なんだ。。と
保護時にあんな状態であんなにも大きな声で鳴いていた事に納得した。

ウチと少し遅れて犬友さんが生後2週間の仔猫の世話を始めて、見つかった際は兄妹5匹中の1匹だけ亡くなっていたのだそうだ。
人間も生命力の差ってあるし、それは一体何なのだろう?と目の前の実感として思った。生まれ持った物なのだろうけど、それっていつどうして決まるのだろう?と。


仔猫は鳴くことは危険を呼ぶことだからギリギリまで鳴かないと友人に聞いた。だからあの日大声で鳴いたのは、彼女の中で決心したからなのだろうと。

保護した日、外に見に行く前、見つけちゃったらどんな場合でも面倒見る覚悟を「よしっ」と自分に改めて確認して見に出た。互いに覚悟を決めた出会いなのね。
今となっては何だか笑ってしまう。笑える位に元気になってくれたって事なんだけど。

10日間で体重は560g位になった。
自力で食べてくれる日が来るのだろうか?と思いながら過ごしたけど、10日目にほんの少しずつ自分で口をつけてくれるようになり感激した。

 

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保護から4日位したら遊び心が出てきた。犬グッズしかないウチ。慌てて毛糸でおもちゃを作る。

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左の首元に更に大きな穴。結局首元は全部で3箇所。軟膏を塗って、中の腐った組織が落ちて皮膚が盛り上がってくるのを待つ。右足にも軟膏を塗るので舐めないように軍手の指をカットして履かすといいというアドバイスをもらった。

 

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食べたーーーー。


続く。